マキノエリア
鮒ずし
魚治(うおじ)/湖里庵(こりあん)
海津の港町で育まれた二百年の歴史

天明4年(1784年)、初代・左嵜治右衛門が湖の恵みを扱う魚屋として始め、屋号は“魚屋の治右衛門”に由来します。冷蔵庫のない時代に、魚を守る知恵として受け継がれた発酵文化が、やがて蔵に棲む乳酸菌とともに独自の味を育てました。奥琵琶湖を愛した作家・遠藤周作氏が、この味に心を寄せ「湖里庵」という名を贈ったエピソードも残っています。
蔵に棲む菌がつくる
やさしい“魚治の味”

独特の香りと深みを生むのは、代々この蔵に生き続ける乳酸菌「蔵持の乳酸菌」。二つの冬をかける長い熟成期間は、余計な菌を寄せつけないための“守りの時間”でもあります。高島の空気・水・気候に育まれた菌に合わせて造ることで、鮒ずしが苦手な人にもすっと入る、クセのないやさしい味わいが生まれています。
火を入れない、二年熟成
鮨の原点を今に伝える

二年という長い熟成を経ながら、一切火を入れない“生もの”として仕上げるのが鮒ずし。乳酸菌の自然な働きだけでゆっくり発酵し、現代のすしのルーツとされる味わいが形づくられます。長期熟成を経ても香りが穏やかな魚治の鮒ずし。その背景には、雑菌を寄せつけない蔵の環境と、代々当主のみが受け継いできた徹底した「守り」という技術管理があります。まさにこの場所ならではの味わいです。
鮒ずしを味わい、泊まる
高島の食文化を体験する

魚治の鮒ずしは評価が高く、昭和天皇にも献上されたことで知られています。併設の「湖里庵」では、鮒ずしのほか、湖魚料理や郷土の味を楽しめ、1日1組限定で、ゆったりと宿泊することも。発酵に合った高島の気候と、琵琶湖の恵み豊かなこの土地で育まれてきた食文化を、ぜひ味わってみてください。
- 店名
- 魚治(うおじ) / 湖里庵(こりあん) 要予約
- 住所
〒520-1811
滋賀県高島市マキノ町海津2304(本店)
- 営業時間
9:00~20:00(火曜日を除く)
定休日 火曜日、第1・第3水曜日(魚治本店)